神戸ムスリムモスクの1階の礼拝室。中央奥がミフラーブ

 洋館が多く残る神戸・北野かいわいで、タマネギ形の塔屋ドームと、ミナレット(尖塔(せんとう))を備えた神戸ムスリムモスク(神戸市中央区)は異彩を放っている。1935(昭和10)年に建てられ、現存する日本最古のモスクとされる。インド人貿易商らが中心となって資金を調達し、チェコ出身の建築家ヤン・ヨセフ・スワガーと竹中工務店によって完成した。

ミナレット内部のらせん階段(許可を得て撮影)

 鉄筋コンクリート造り、地上3階地下1階建て。礼拝室はじゅうたんが敷かれ、天井からシャンデリアが下がる。中央の壁にはメッカの方向を示すミフラーブがあり、その右には、宗教指導者が説教をする壇(ミンバル)が設けられている。1日5回の礼拝が行われ、イスラム教の聖なる日である金曜日には、関西一円から信徒が集団礼拝に訪れる。信徒以外の内部の見学も可能だ。

神戸の青空に映える外観。縦写真で捉えたものが右奥の塔の内部

 神戸大空襲や阪神大震災では大きな損傷を免れ、避難所としても機能した。モスクはイスラム教徒の心のよりどころとして、また国際都市・神戸の多文化共生の象徴として街に溶け込んでいる。

2024年3月10日 毎日新聞・日曜くらぶ 掲載

シェアする