秋葉台文化体育館の北面。構造材を曲線に配すキールアーチ構造となっている

 見る角度によって、さまざまな表情を展開する。秋葉台文化体育館(神奈川県藤沢市)は1984(昭和59)年、槙(まき)総合計画事務所の手によって完成した。

 体育館のマスコットキャラクターは「カブト虫」。外観は「昆虫」、横面の一部は「宇宙船」のようにも見え、個性あふれる形状は、さまざまな想像力をかき立てる。

左が第2体育室などが入るC棟、右が第1体育室が入るA棟。中央がロビーがあるB棟

 同事務所によると、A棟にある第1体育室は2方向に曲面を持ち、膨らみのある内部空間を造りたいとの発想を生かしたという。C棟にある第2体育室は、天井の最上部がとがっている。ゴシック建築の大聖堂に見られる尖塔(せんとう)アーチのような様式美が印象的だ。梁(はり)材が規則的に並び、天井を支える。

 ロビーには大きな窓があり、ふんだんに光が差し込む明るい空間が広がる。体育室が取り入れる光と質を異にする。ステンレスの屋根材も時間帯によって違う外観を作り出す。晴天時は輝きがより増し、薄暮の時は落ち着いた光沢を際立たせる。

第2体育室。西側から光が差し込み、床にも表情を作り出した

2023年10月8日 毎日新聞・日曜くらぶ 掲載

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