静寂に包まれる聖堂

 周辺はマンションや住宅が建ち並ぶエリアだが、敷地内は静寂に包まれている。カトリック北仙台教会(仙台市青葉区)は、鉄筋コンクリート造りで1951(昭和26)年に完成した。高さ約24㍍の鐘楼と、建物正面の大きな円窓が印象的だ。

鐘楼(左)と正面上の大きな円窓が目を引く外観

 南側のエントランスから教会に入ると、アーチ状の聖堂が姿を現す。ドアから祭壇奥までは約30㍍あり、歩みを進める度に厳粛な気持ちになっていく。円窓はステンドグラスで、光が透過した内部は外とは違う表情を見せる。天井を支える梁(はり)は木造で、白いアーチとのコントラストが美しい。教会完成時に設置された長椅子が時を刻み続けている。

建物正面の大きな円窓のステンドグラス

 聖堂の壁面には「十字架の道行(みちゆき)」と題された石版のレリーフ彫刻が飾られている。イエス・キリストが死刑宣告を受けてから墓に葬られるまでの様子が石版14枚に描かれている。

 新型コロナウイルスの感染拡大が続くが、ユ・ゾン・ピル主任司祭(48)は「神様に祈って希望と慰めが得られたら」と話している。

やわらかな光がステンドグラスを通して差し込む

2022年12月18日 毎日新聞・東京朝刊 掲載

シェアする