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江戸時代、水戸徳川家の居城だった水戸城跡の近くで、エキゾチックな外観で目立っているのが、水戸市水道低区配水塔だ。1932(昭和7)年に完成した配水塔は、高区配水塔、芦山浄水場(いずれも93年に稼働終了)と共に同市の近代水道の礎を築いた。高さ21.6㍍、直径11.2㍍の鉄筋コンクリート造りで、水道技師の後藤鶴松が設計した。玄関はゴシック風に装飾され、3階にはバルコニーがせり出す。飲料だけでなく消防用水としても期待されたため、壁面には消防ホースが交差する二つのレリーフがあしらわれた。
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芦山浄水場からポンプで水をくみ上げ、高低差を利用して低地に水を供給した。高台に水を供給した高区配水塔(99年に解体)は、機能優先の簡素な造りなので、低区配水塔との違いが際立っていた。
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96年に国登録有形文化財となった。水の重さが塔の耐震性に影響するなどの理由で、2000年に役割を終えた。配水塔の外観は一時、単色に塗られていたが、06年の改修で建設当時の色に復元された。
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2022年10月30日 毎日新聞・東京朝刊 掲載