新緑が眼前に広がる三角形の先端部分からの眺望(有料の席がある4階から撮影)

 東京都心のオアシス、日比谷公園(千代田区)にある千代田区立日比谷図書文化館の外観を見ていると、三角形になっていることに気づく。ユニークな形をした同館は、1957(昭和32)年に都立の図書館として完成した。鉄筋コンクリート造りで、当初は3階建てだったが、61年に4階部分が増築された。2011年に区立の施設になり、ミュージアムなどを備えている。

三角形の独創的な形状が目をひく建物

 千代田区のサイトによると、建物が三角形の形状になったのは、日比谷公園の区画整理によって残された土地が三角形だったからだという。土地を最大限利用したことで、独創的な建物が出来上がった。三角形の先端に当たる部分などをはじめ、強度を増すために四角形ではなく六角形の柱が多用されている。

階段の周りにある障子窓。日差しを和らげ、心和む空間を演出する

 鋭角になった部分の窓から外を眺めると、公園の緑がパノラマ状に広がっていた。四季の移ろいを楽しめるひとときを過ごせそう。1階から4階をつなぐ階段の周りにある窓は障子が備え付けられ、日差しを和らげるとともに、静寂の空間を演出している。

2022年5月22日 毎日新聞・日曜くらぶ 掲載

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