日本画制作に欠かせないにかわ。この画材の背後に広がる歴史を紹介し、話題を呼んだ展覧会の後続版とも言うべき「膠(にかわ)を旅する―いのちといのちをつなぐ人」展が、東京・東中野のありかHole(ポレポレタイムス社、03・3227・1405)で開催されている。
にかわを巡る営みをたどるプロジェクトは現在も継続中だといい、本展では兵庫県姫路市で生皮(きがわ)、にかわづくりに取り組む大﨑商店を取材した記録映像(2023年)を上映。プロジェクトに参加する画家の内田あぐりによる日本画やドローイング、写真家の本橋成一による「屠場(とば)」シリーズ、鹿や牛の生皮も展示している。内田の新作「Ichikawa」は、冷たい川に皮を浸すにかわづくりの工程から着想を得た作品で、大﨑商店のにかわを用いて描かれているという。4月2日まで。
2023年3月29日 毎日新聞・東京夕刊 掲載