原広司さんが過去に制作した建築の模型などからなる「有孔体と浮遊の思想(M0)」

【展覧会】
原広司の思想に触れる
国立近現代建築資料館で

文:平林由梨(毎日新聞記者)

建築

 JR京都駅、大阪の新梅田シティ・スカイビル、札幌ドームなどの設計で知られる原広司(1936年生まれ)の思想に触れる「原広司 建築に何が可能か 有孔体と浮遊の思想の55年」が東京・湯島の国立近現代建築資料館で開かれている。

 原は60年代、外と内をつなぐ開口部によって光、風、人の動きを導く形態を「有孔体」と定義。目的を持たない運動や偶発的な出会いといった「浮遊」の概念と共に、均質的な空間を提唱するモダニズムとは逆の建築を追究してきた。

 本展では、設計図面やスケッチなどから有孔体と浮遊の思想が具現化する様を示す。過去に手がけた建築の模型群からなる巨大なオブジェは本展のために制作され、原の頭の中をのぞく大作。3月5日まで。

2023年2月22日 毎日新聞・東京夕刊 掲載

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