文化庁の「新進芸術家海外研修制度」を経験した美術家が成果を披露する「DOMANI・明日展」が東京・六本木の国立新美術館で開かれている。25回目となる今回は、30~60歳代と幅広い年代の10人が参加。それぞれが探究する絵画、彫刻、インスタレーションなどが並んだ。
ベルリンで研修した小金沢健人(1974年生まれ)は、2枚の紙が重なった部分に色を塗り、それを次々ずらすインスタレーションを発表。運動の痕跡として現れた絵画が圧倒的だった。ペルーのクスコで石彫を追究した北川太郎(同76年)の作品は触ることができ、温かい感覚は創作する喜びを想像させた。他に大﨑のぶゆき、谷中佑輔、黒田大スケ、池崎拓也、石塚元太良、近藤聡乃、丸山直文、伊藤誠が出展している。29日まで。
2023年1月25日 毎日新聞・東京夕刊 掲載