「建築のあいだをデザインする」の会場風景

 世界的建築家、槇文彦(1928年生まれ)がグランドデザインから携わった慶応義塾大湘南藤沢キャンパス(SFC)に焦点を当てた展覧会「建築のあいだをデザインする」が東京・三田の同大学アート・センターで開かれている。

 複数の似た形をした建物同士の関係性を「群造形」という概念のもとで探究した槇。その思想にもとづいて一から取り組むことができたのがSFCのプロジェクトだった。展示を企画した新倉慎右学芸員はその設計について「槇は建築と建築の『あいだ』を重視し、緑もコンセプトに生かすことでさまざまな眺望を仕込んだ」と解説する。「眺望と隠れ家」「空間のひだ」「都市と田園」などといった槇の思想が具現化していった様を、写真や図面を通して伝えている=写真。12月16日まで。

2022年11月30日 毎日新聞・東京夕刊 掲載

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