花王による提案。水溶紙を使った10年後の洗剤を想像した

【展示会】
「10年後の紙とくらし」
竹尾 見本帖本店

文:平林由梨(毎日新聞記者)

現代美術

 2032年、紙は日常生活でどう使われているだろう。そんな想像を刺激する展示会「10年後の紙とくらし」が東京都千代田区の「竹尾 見本帖本店」2階(03・3292・3669)で始まった。花王は水溶紙を使い、飾って保存できる洗剤を提案し、ソニーは宇宙へと広がった生活で使われるパッケージを形にするなど資生堂、明治、ビームスを含む国内5社が紙の専門商社、竹尾と10年後のワンシーンを描いた。

 各提案に、同社の専門的な知見を「竹尾の視点」として補足。例えば、完全循環が望ましい宇宙空間では廃棄物を原料とした「混抄紙(こんしょうし)」が活用されると見通し、ベッドリネンやもみ殻から作った紙を実際に展示している。益田ミリによるイラストと共に身近な未来を予感させる展示となっている。12月27日まで。

2022年11月9日 毎日新聞・東京夕刊 掲載

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