国宝「埴輪 挂甲の武人」群馬県太田市飯塚町出土、古墳時代・6世紀、東京国立博物館蔵<通期展示>

【特別展】
国宝・東京国立博物館のすべて/9
埴輪 挂甲の武人 弓、本来の形状に復元

文:河野正訓(東京国立博物館主任研究員)

コレクション

国宝

 頭から足元まで武具を着用する、完全武装した武人の埴輪(はにわ)。左手には弓を持ち、右手で抜刀しようとする姿である。挂甲(けいこう)の腰回りや裾回りが立体的に表現されるなど、全体的に精緻な造りである。この埴輪を製作した工人(職人)は、巧みな技術者であったに違いない。

 古墳時代当時の武人をしのぶことができる完全武装した姿は学術的に価値が高く、さらに均整の取れた精緻な表現は美術的にも高く評価されている。3年におよぶ解体修理を経て、修理後初のお披露目が本展である。弓を本来の形状に復元しているので注目してほしい。

INFORMATION

特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」

<会期>12月11日(日)まで。会期中展示替えあり。本展は事前予約制(日時指定)
<会場>東京国立博物館平成館(台東区上野公園)
<問い合わせ>050・5541・8600(ハローダイヤル)
<公式サイト>https://tohaku150th.jp/

2022年11月3日 毎日新聞・東京版 掲載

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