宮城壮太郎がパッケージデザインなどを手がけたアスクルの日用品の数々

【宮城壮太郎展】使えるもの、美しいもの 東京・世田谷美術館

文:平林由梨(毎日新聞記者)

デザイン

 日用品を数多くデザインした宮城壮太郎(1951~2011年)の仕事を伝える「宮城壮太郎展 使えるもの、美しいもの」が世田谷美術館で開かれている。

 従来のファイルでは収納しにくかった書類や小物を共通した規格で管理できるようにした初期の代表作、プラス社の「プラスシステムファイリング」は落ち着いたグレーで統一され、過剰な装飾はない。情報管理という目的が形になったような潔さがある。また事務用品を扱うアスクルには最初期からデザイナーとして参加し、オリジナル製品の多くに関わった。クリップ類などはパッケージの大きさをそろえ、購入したまま積み重ねられるようにした。常にユーザー目線で「デザインに何ができるか」を問い続けた姿が浮かぶ。11月13日まで。

2022年10月26日 毎日新聞・東京夕刊 掲載

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