小沢剛による油彩画の数々

【展覧会】 「小沢剛 BETA BETA コロナの頃」東京・南麻布

文:平林由梨(毎日新聞記者)

現代美術

 野菜で作られた銃をかまえた女性のポートレートシリーズ「ベジタブル・ウェポン」や、美術史の名画をしょうゆで模写する「醬油画資料館」など、ひねりが利いたプロジェクト、インスタレーションで社会問題や歴史と向き合う小沢剛(1965年生まれ)。東京・南麻布のミサシンギャラリー(03・6450・2334)で小沢がコロナ禍を機に制作を始めた油彩画などが並ぶ「小沢剛 BETA BETA コロナの頃」が開かれている。10月15日まで。

 子どもの絵を模写した油彩画や日用品のスケッチなど計65点。印象的な小さな点が複数の絵画を覆っていた。フィールドワークや共同制作をベースにしてきた小沢は「ベタベタした油絵の具で立ち向かう孤独の時間は、世界や宇宙と向かい合う手段だと、今更気がついた」としている。

2022年9月14日 毎日新聞・東京夕刊 掲載

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