「まれびとと祝祭」展の展示

【展覧会】
まれびとと祝祭展
東京・高島屋史料館

文:高橋咲子(毎日新聞記者)

民俗

 「まれびと」に着目した展覧会「まれびとと祝祭 祈りの神秘、芸術の力」が、東京・日本橋の高島屋史料館TOKYOで開催中だ。

 文芸評論家で、多摩美術大教授の安藤礼二さんの監修。感染症拡大が収まらない現代から、来訪神を意味するまれびとの信仰と、祝祭を捉え直した。

 写真家・石川直樹さんが撮影した日本各地の来訪神儀礼や、フランス滞在中に民族学に関心を深めた岡本太郎のマスク(仮面)様の作品などを展示。また、アイヌの衣服なども紹介し、アイヌの装飾文化から芸術の起源に思考を広げた。安藤さんは「異邦人を媒介に、移動しながら広がるのが文化の元々のあり方。異質なものといかに共生するかもテーマの一つだ」と話す。8月21日まで。

2022年4月13日 毎日新聞・東京夕刊 掲載

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