約180点の原画が展示されている「誕生50周年記念 ベルサイユのばら展」

 世代を超えて愛される池田理代子さんの漫画『ベルサイユのばら』の連載が始まって今年で50年。その軌跡をたどる「誕生50周年記念 ベルサイユのばら展―ベルばらは永遠に―」が、六本木ヒルズ森タワー(東京都港区)で11月20日まで開催中だ。原画をはじめ、宝塚歌劇での上演や、テレビアニメ化にまつわる資料の数々が展示されている。

当時は珍しかった漫画本文のカラー刷りの原画 いずれもⒸ池田理代子プロダクション

 約180点の原画からは、物語の進行に沿って池田さんの画風が少女漫画から劇画のように変化していく様子がうかがえる。当時は珍しかった漫画本文のカラーページの原画も見ることができる。連載していた1970年代、漫画のカラー印刷は技術的に難しく、ベルばら連載中も掲載は1回のみという。その着彩は池田さん自身が手掛けた。

 また、2014年に40年ぶりの新刊として発売された「エピソード編」の原画も公開されている。

 ベルばらブームの火付け役となった宝塚歌劇のコーナーでは、舞台衣装や小道具を展示するほか、オスカルとアンドレが愛を誓い合う名場面を再現した舞台も設置されている。

 開催にあたって、池田さんは「50周年の展覧会があるなんて想像もつきませんでした。50年前の絵が展示されるのは実は恥ずかしいです。今後も末永く『ベルサイユのばら』を読み継いでいただけたらな、と思います」としている。

 同展は11月30日から12月12日まで、大阪市北区の阪急うめだ本店に巡回する予定。

2022年10月24日 毎日新聞・東京夕刊 掲載

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