【美とあそぶ】松村邦洋さん/3 成績美術だけは「3」だった

文:寺田剛(聞き手、毎日新聞記者)

インタビュー

 子どもの頃の絵にまつわる思い出は少ないのですが、小学6年で描いた火災予防ポスターが表彰されたことがあります。中学の成績は5段階評価の「2」ばかりでしたが、美術だけは「3」でした。

【美とあそぶ】松村邦洋さん/3
久慈照嘉さん

 仕事で絵を描くきっかけを与えてくれたのは、放送作家の高田文夫先生です。高田先生の大学の先輩のギャラリーでタレントたちが企画展を開くことになり、阪神タイガースの掛布雅之さんを鉛筆で描いてみました。せっかくだから絵の具で色を付けてとアドバイスをもらい、向かったのが東京・新宿の世界堂。画材の種類の豊富さに触れ、幼少期のわくわく感がよみがえりました。

 久慈照嘉さんの絵は、週刊ベースボールの連載初回の作品です。阪神の遊撃手で、ヒット性の打球もうまくさばく守備の名手。小柄で俊敏なので現役時の吉田義男監督と同じく「牛若丸」と呼ばれ、魅力がありました。

PROFILE:

松村邦洋(まつむら・くにひろ)さん

1967年、山口県生まれ。大学生の頃、アルバイト先のテレビ局で片岡鶴太郎氏に認められて芸能界入りし、ビートたけし氏らのものまねで有名に。野球・歴史の知識が豊富で「ボクの神様~心に残るトラ戦士」など関連著書も多数。

2023年3月13日 毎日新聞・東京夕刊 掲載

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