1999年から野村克也さんが阪神タイガースの指揮を執ることになりました。当時、タイガースウオッチャーの摂津守桃丸さんが本を出版され、表紙として描きました。

　縦じまのユニホームに歴代監督の名を、帽子にコーチの名をそれぞれ記しました。背景にはまず、甲子園球場を描きました。野村さんの燃えるようなイメージから炎を描き加えました。すると「大坂夏の陣」で陥落した大坂城みたいに、まるで甲子園が焼け落ちていくようにも見えてしまい、少し反省しました。

　結果的に、野村さんは3年連続最下位で辞任され、まさに「夏の陣」みたいになっちゃいました。でも、野村さんの指導力で若手が成長し、2003年のリーグ優勝につながりました。かつて野村監督から厳しい指導を受け、今シーズンから打撃コーチになった今岡真訪さんも「感謝しかない」と言っていました。