フェルト製マスコット

【美とあそぶ】
玉鷲関/3 家族との思い出、形に

文:山崎明子(聞き手、毎日新聞記者)

インタビュー

 自分と奥さん、2人の息子。フェルトで家族みんなのマスコットを作りました。

 家族は大切です。どこの業界でも「家族のことはいいから、目の前のことを頑張れ」という人がいます。でもね、そうしたら退職後、何も残らないと思います。60歳過ぎて、思い出がなかったら生きる目標がなくなってしまう。寂しいですよ。子供は大きくなったら離れていきます。だから今、なるべく家族と一緒にいて、たくさんの思い出を作ろうと思います。

 休日に家族と一緒に過ごしたり、旅行に行ったりする時間をたっぷりとっています。それが勝つためのモチベーションとなり、本場所でしっかり相撲をとれます。その延長線上で、初土俵からずっと欠場せず、歴代3位の連続出場記録を成し遂げることができました。結婚して、子供が生まれて、守る人が増えました。だから稽古(けいこ)もしっかりするし、強くなったと思います。

PROFILE:

玉鷲(たまわし)さん

本名・バトジャルガル・ムンフオリギル。前頭2枚目。片男波部屋。1984年、モンゴル・ウランバートル生まれ。2004年初場所で初土俵。19年初場所と22年秋場所で優勝。得意は突き、押し。身長189㌢、体重174㌔。

2023年2月13日 毎日新聞・東京夕刊 掲載

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