布製世界地図

【美とあそぶ】玉鷲関/2 布の世界地図、幼い息子に

文:山崎明子(聞き手、毎日新聞記者)

 手芸を始めたのは、縫い物が得意だったお母さんの影響です。子供だった1990年代のモンゴルは貧しくて、両親ともに働いても生活は苦しかった。そんな時、お母さんは皮革製品の工場からもらってきた革の端切れをつないで革ジャンを作り、それを売って家計の足しにしていました。

 自分でも革の人形や洋服を作って遊んでいました。小学校では、「男子が工作、女子が縫い物」と分かれて学習しました。自分は女子に「こうやるんだよ」と縫い物のコツを教えてあげていました。

 今、手芸作品を作るのは家族のためです。今年7歳になる長男が生まれてすぐ、この布製の世界地図を作りました。動物はそれぞれ取り外しができます。クジラやカニは海に、ゾウはアフリカに、そんな感じで張っていけば、地域の特徴を学べます。長男も当初はただ遊んでいただけですが、最近はこの地図で学習してくれているようです。

PROFILE:

玉鷲(たまわし)さん

本名・バトジャルガル・ムンフオリギル。前頭2枚目。片男波部屋。1984年、モンゴル・ウランバートル生まれ。2004年初場所で初土俵。19年初場所と22年秋場所で優勝。得意は突き、押し。身長189㌢、体重174㌔。

2023年2月6日 毎日新聞・東京夕刊 掲載

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