ベッドカバー

【美とあそぶ】
玉鷲関/1 太陽の笑顔、刺しゅうで

文:山崎明子(聞き手、毎日新聞記者)

インタビュー

 18歳の時、東大に留学中の姉を訪ねて来日し、東京・両国を観光しました。それがきっかけで、縁あって角界に入りました。ダメだったら大学に通うのと同じ4年でやめるつもりでしたが、勝ち上がって優勝できるまでになれました。ファンのため、師匠のため、応援してくれる家族や両親のために力を尽くす。それが自分のパワーになるところが相撲のよさです。

 小さいころはホテルマンになるのが夢でした。料理が好きで、布団をキチンと畳むことも得意なんです。本当なら自宅が一番、寝心地がいいはず。なのにお客さんはお金を払って宿泊するのだから、最高のサービスをする。人のためという気持ちは相撲に通じます。

 これは手作りした自分用のベッドカバーです。手芸店で生地を買い、2カ月かけてミシンで縫い、中央の太陽に刺しゅうで顔を描きました。この笑顔がいいでしょう。広げてインテリアとしても飾れます。

PROFILE:

玉鷲(たまわし)さん

本名・バトジャルガル・ムンフオリギル。前頭2枚目。片男波部屋。1984年、モンゴル・ウランバートル生まれ。2004年初場所で初土俵。19年初場所と22年秋場所で優勝。得意は突き、押し。身長189㌢、体重174㌔。

2023年1月30日 毎日新聞・東京夕刊 掲載

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