【美とあそぶ】 おさるさん/2得意の絵 書に生かす

文:川名壮志(聞き手、毎日新聞記者)

 母からスパルタ教育を受け、書は泣きながら習っていました。でも、小さい頃から絵は大好きでした。小学生の時に大阪府の賞をもらうなど、昔から得意でした。

祥龍

 それが、今の書の作品にも生きていますね。字に何かプラスしたいと思った時に、バックに絵を描くこともあります。ちょっと華やかになるでしょ? 字と一緒で、画材は墨。毛筆を使って薄い墨で描いています。

 この作品の字の後ろは、ティラノサウルスです。史上最強の恐竜が幸せを運んでやってきた! そんなギャグコントのようなストーリーを、縦3メートル、横2㍍の作品で表現しました。

 恐竜の墨絵は、子供に喜ばれるんですよ。大人、特に企業経営者のような組織のトップに立つ職業の人には、「龍」や「虎」の作品が好まれる。強さへの憧れがあるのかもしれません。書のライブパフォーマンスをすると、盛り上がります。

PROFILE:

おさるさん

1968年、大阪府生まれ。91年、お笑いコンビ「アニマル梯団(ていだん)」でデビュー。芸能活動の傍ら、宇都鬼(うっきー)の雅号で書に親しみ、作品をインスタグラムでも公開。スポーツ万能で2児の父。

2022年6月20日 毎日新聞・東京夕刊 掲載

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