2022年の作品

【美とあそぶ】鈴木杏さん/4止可能性もっと探る

文:葛西大博(聞き手、毎日新聞記者)

インタビュー

 今年に入って陶芸を始めました。絵は自己流ですが、陶芸は月に何度か教室に通っています。絵画は最後まで自分の手で完成させることができますが、陶芸は焼き上がってみないとどういうものになるか想像できない。「こうなったんだ」というお楽しみ感があって、まんまとはまってしまいました。

 実は陶芸に取り組んだのは、初の個展を7月に予定しているからです。夢だった個展で、立体的な陶芸も展示したいなと思いました。これはお皿です。ひも作りという、土台の上にひも状に延ばした粘土を重ねていく手法で作りました。模様は、描いていくうちに太陽みたいなものになりました。

 今35歳です。この前ふと、還暦まであと25年あるんだと考えました。9歳で芸能界入りして今年で26年。ほぼ同じ時間があると思うと、いろいろ可能性を探ることができるなと、日々夢想しています。もちろん絵や陶芸は続けていきます。

PROFILE:

鈴木杏(すずき・あん)さん

1987年東京都生まれ。96年にデビュー。第28回読売演劇大賞で大賞・最優秀女優賞を受賞(「殺意 ストリップショウ」「真夏の夜の夢」の演技)。6月25日スタートのNHK土曜ドラマ「空白を満たしなさい」に出演予定。

2022年6月6日 毎日新聞・東京夕刊 掲載

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