2016年の作品

【美とあそぶ】鈴木杏さん/1日記代わりが始まり

文:葛西大博(聞き手、毎日新聞記者)

インタビュー

 子どもの頃、テレビを見て「ドラマに出てみたい」と思ったのが芸能界入りのきっかけです。1996年にドラマ「金田一少年の事件簿」(日本テレビ系)でデビューした時は9歳。両親とも洋服のデザイナーで、自宅には絵画作品や画集がありましたが、子どもの頃は時々、絵を描く程度でした。

 2016年の元旦に、リビングで日記帳を開いていたら、ふと絵を描きたくなったんです。日記だと後で読み返すと恥ずかしいじゃないですか。絵だったらそうでもないかなと思い、日記代わりに1日1枚描き始めました。「楽しいな」と思うと続くもので、この年は365日描きました。今もほぼ毎日、ペンや筆を握り、それ以来、メインの趣味になりました。

 これは記念すべき第1作。申(さる)年なので猿です。絵を続けるようになり、どんどん線を描き込むようになりましたが、こういうシンプルな線の絵も良いですね。

PROFILE:

鈴木杏(すずき・あん)さん

1987年東京都生まれ。96年にデビュー。第28回読売演劇大賞で大賞・最優秀女優賞を受賞(「殺意 ストリップショウ」「真夏の夜の夢」の演技)。6月25日スタートのNHK土曜ドラマ「空白を満たしなさい」に出演予定。

2022年5月16日 毎日新聞・東京夕刊 掲載

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