ちょいと変わった似顔絵を描いているんですよ。ある日、わが家庭菜園で取れた野菜をザルに並べていたら、あれっ? 顔に見えるじゃないですか。その顔がたまたまうちの師匠、古今亭志ん橋そっくりだったものですから、つい面白くなって。
まゆげがピーマン、目がミニトマト、鼻がナス、口がシシトウ。師匠の顔は毎日のように拝んでいるので、輪郭の線がなくても浮かんできたんです。それにスキンヘッドでしょ。すぐに画用紙を買ってきて、くるっと丸い線を入れたら、ハイ、できあがり。記念すべき「野菜似顔絵」の第1作となりました。
もちろん、野菜たちはわが家の晩ご飯の食材になりますから作品は残らない。
でも、しゃれで写真をツイッターにアップしたら好評でね。師匠も気に入ってくれ、携帯に画像が入っています。
PROFILE:
古今亭志ん五(ここんてい・しんご)さん
1975年、埼玉県川越市生まれ。2003年、初代古今亭志ん五師匠に入門。師匠没後、志ん橋門下となり、17年、真打ち昇進。古典、新作どちらも演じる。
2022年4月18日 毎日新聞・東京夕刊 掲載