笑顔の種をまこう

【美とあそぶ】たいぞうさん/4止ミスをしても楽しむ

文:金志尚(聞き手、毎日新聞記者)

インタビュー

 大阪でお笑いといったら、何といっても吉本新喜劇。個性的なメンバーを動物で表現し、明るく楽しそうにしているところを描きました。タイトルは「笑顔の種をまこう」。50周年を迎えた2009年にいったん描き上げたものを19年にブラッシュアップしました。

 僕も新喜劇の一員として10年以上、舞台に立ちました。間の抜けたお巡りさんとかヤクザとかの役が多かったですね。せりふをかんだりして、よく怒られましたが、会場で笑いが起きると本当に気持ちがいいんです。ちょっと言い方は悪いかもしれませんが、中毒になるくらいです。

 それに、とちっても受ければOKなんです。その経験は絵を描く時にも生きています。途中でミスしても気にしない。どうやってここから良くしていくか。むしろ、それを楽しむぐらいでやっています。だから僕の絵には新喜劇の要素も入っているんです。

たいぞうさん 吉本興業提供

PROFILE:

たいぞうさん

1974年、香川県生まれ。芸人。吉本新喜劇のメンバーとして長く活躍した。現在はアーティスト活動も展開する。2016年から大阪府障がい者芸術・文化大使を務める。

2022年3月7日 毎日新聞・東京夕刊 掲載

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