同じ目線

【美とあそぶ】
たいぞうさん/1
芸人と画家の「二刀流」

文:金志尚(聞き手、毎日新聞記者)

インタビュー

 芸人と画家の〝二刀流〟で活動していますが、ネタ作りと絵には共通するところがあります。どちらもイメージを膨らませることが大事。僕の場合、抽象画を描くことが多いのでなおさらです。これは「同じ目線」というタイトルの絵で、一番最近の作品です。

 若手芸人だった頃、偉ぶらずに話しかけてくれる先輩に憧れていました。だから自分も今、下の世代と話す時はそういう意識を心がけています。人間って生まれたのが早いか遅いかが違うだけで、立場はみんな平等だと思うんです。相手がどんな人でも、同じ目線で接することが大事だということを絵で表してみました。

 上の方に太陽や月があるのが分かりますか? 僕たちは同じ地球の上で同じ時間を生きているというメッセージを込めました。そして話す時は何より、相手を思いやる心が必要。ということで、全体をハート形にしました。

たいぞうさん 吉本興業提供

PROFILE:

たいぞうさん

1974年、香川県生まれ。芸人。吉本新喜劇のメンバーとして長く活躍した。現在はアーティスト活動も展開する。14~23日、大阪府池田市の「Gallery(ギャラリー)糸」で個展を開催。同じ目線

2022年2月14日 毎日新聞・東京夕刊 掲載

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