「北アルプス国際芸術祭」をテーマに描いたイラスト

【美とあそぶ】
鉄拳さん/4止
漫画家と芸人=10対0

文:鈴木梢(聞き手、毎日新聞記者)

インタビュー

 最近はパラパラ漫画だけでなく、イラストの仕事も増えています。この作品は長野県大町市で開かれた「北アルプス国際芸術祭」をテーマに描いたイラスト。大町市は僕の地元で、観光大使も務めています。長野県は自然も街の景色も、においもいい。本当に自分の故郷で良かったと思います。

 僕は昭和の時代が大好きです。だから、作品の風景も人物も昭和の雰囲気になってしまうんでしょうね。よく「感動系の作品」と言われますが、自分では涙を誘おうなんて思っていません。どの作品も自分の体験に基づき、人生の場面を思い起こして描いています。僕にとっては体験こそ財産です。

 パラパラ漫画を描き始めて10年。半年先まで制作のスケジュールが入っています。作品を描き終えると、山登りと同じような達成感があります。漫画家と芸人の仕事の比率は今は10対0。本来は芸人なので、何かやらなければいけないんですけど。

鉄拳さん ©YOSHIMOTO KOGYO CO., LTD.

PROFILE:

鉄拳(てっけん)さん

1972年、長野県大町市生まれ。お笑い芸人。スケッチブックネタで人気を呼び、パラパラ漫画で再ブレーク。ユーチューブ「鉄拳パラパラ漫画チャンネル」で作品公開中。「鉄拳のパラパラマンガうつすだけドリル」(主婦の友社)を刊行。

2022年2月7日 毎日新聞・東京夕刊 掲載

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