【美とあそぶ】秋川雅史さん/3原点はふるさとの祭り

文:福田智沙(聞き手、毎日新聞記者)

インタビュー

 彫刻の原点は生まれ育った愛媛県西条市にあります。秋には「西条まつり」が行われ、木彫刻が施されただんじりが多数集まります。物心つく頃からだんじりに彫られている竜などの彫刻を見て、あこがれを抱くようになりました。

 だんじりにタカの彫刻が置かれるのは定番です。故郷では、男は強くてなんぼ、という風潮があったせいか、「強さ」にひかれます。この「鷹(たか)」は私の地元のだんじりに載せることをイメージして制作しました。ただ、幅80㌢とサイズが大きすぎてだんじりに置くことはできませんでしたが。

 彫刻は木が一番ですね。日本人は木と深く関わってきた文化があります。彫っていると、木が生きているとよく分かります。切り倒した木も成長している。生きている木から彫り出した芸術作品は粘土やせっこう、銅などで作られた作品より生命力があふれていると感じます。それが木の彫刻の魅力です。

PROFILE:

秋川雅史(あきかわ・まさふみ)さん

1967年、愛媛県生まれ。テノール歌手。国立音大、同大学院を経てイタリアに留学後、2001年にデビュー。「千の風になって」(06年)の大ヒットから15年を記念して全国47都道府県ツアーを開催中。

2021年11月22日 毎日新聞・東京夕刊 掲載

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