「峯村敏明著作集 Ⅳ」

【美術評論】『峯村敏明著作集』の刊行開始

文:高橋咲子(毎日新聞記者)

 美術評論家、峯村敏明・多摩美術大学名誉教授(87)の論考を集成する全5巻の『峯村敏明著作集』(美学出版)の刊行が始まり、東京都内で2月26日、出版を祝う会があった。峯村さんは半世紀に及ぶ活動を振り返り、「批評は表現ではなく、応答。できごとや作品に反応して、自分の言葉で表すことだ」と語った。初回配本のⅣはキリコやモランディら外国作家論を収録している。

 祝う会では、発起人の美術評論家・建畠晢さんが「今改めて読み直されるべきテキストだ」と紹介。同じ1936年生まれの美術家、李禹煥さんは、もの派の批判的研究で知られる峯村さんに対し、「否定がなければ肯定も怪しくなる。あなたによってもの派は傷つき、強固になった。もの派は峯村に感謝すべきか」とユーモアを交えた祝辞を寄せた。

2023年3月1日 毎日新聞・東京夕刊 掲載

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