彫刻家の大平龍一がフェアのために制作したインスタレーション
彫刻家の大平龍一がフェアのために制作したインスタレーション

 国内外73のギャラリーが一堂に会した国際アートフェア「Tokyo Gendai」が7日から9日にかけて横浜・みなとみらいのパシフィコ横浜で開催された。アジア太平洋地域で国際アートフェアを展開するイギリスの団体「ジ・アート・アセンブリー」による主催で、3日間の来場者は約2万1000人に上った。

6日の内覧会には34カ国から来場があった
6日の内覧会には34カ国から来場があった

 日本のアートマーケットの活性化を期待して開かれ、主催者によると数十年ぶりとなる世界水準のフェアとなった。6日には内覧会が行われ、「VIPパス」を持つ国内外の富裕層が開場前から入場口に列をなした。

 主催者は今回、海外ギャラリーを呼び込みやすくするため会場全体を保税地域とする資格を取得。そうすることで関税を留保した状態で美術品を展示できる。アメリカ、ヨーロッパ、中国、韓国など海外から参加したギャラリーは全体の6割を占めた。

 フェアは新人・中堅アーティストの作品に特化した「Hana」、元永定正、李禹煥(リウファン)ら評価の定まった作家らが集まる「Eda」など、高根枝里フェアディレクターが4セクションから構成した。海外ギャラリーの担当者からは「最もレベルの高い作品を持ってきた」「ギャラリーそれぞれのディレクションも際だっている」といった声が聞かれた。

 開幕に先立ち開かれた記者会見では、Tokyo Gendai共同創設者、マグナス・レンフリュー氏が「長い旅路の第一歩を踏み出した」とあいさつ。来年以降の開催も検討しているといい、「保税資格を受けられたことで海外のより多くのギャラリーを日本に招くことができる。数年かけて世界的なアートフェアに育てる」と抱負を語った。

 フェアのメインスポンサーは三井住友フィナンシャルグループ。会見に出席した三井住友銀行の高橋克周プライベートバンキング本部長は「金融機関としてこれまでアートマーケットへの貢献が限定的だったと反省している。今後はもっと寄与していきたい」と強調した。

2023年7月24日 毎日新聞・東京夕刊 掲載

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