岡本太郎賞を受賞した吉元れい花さんと受賞作品

岡本太郎現代芸術賞 吉元れい花さんに岡本太郎賞

文:平林由梨(毎日新聞記者)

現代美術

 自由な視点と発想で現代社会に鋭いメッセージを放つ作家を顕彰する第25回岡本太郎現代芸術賞(主催・岡本太郎記念現代芸術振興財団、川崎市岡本太郎美術館)の大賞にあたる岡本太郎賞に、吉元れい花さんの「The thread is Eros, It’s love!」が選ばれた。他の入選作23点とともに、川崎市多摩区の同美術館で5月15日まで展示されている。月曜休館。

 受賞作は、縦横約5㍍の壁面に極彩色の花や人物が刺しゅうで表現されたインスタレーション。手前の台では糸が絡まり合った布の裏面も見せた。病床で岡本の夢を見たという吉元さんは「一心不乱に、打楽器のように打った針と糸の痕跡を見てほしい」と話した。

 次点の岡本敏子賞には三塚新司さんの「Slapstick」が選ばれた。

2022年3月28日 毎日新聞・東京夕刊 掲載

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