宮崎県庁本館(宮崎市)の塔屋は、「垂直」を強く意識した「ネオ・ゴシック調」のたたずまいだ。大きなフェニックスや埴輪(はにわ)、花に彩られた前庭など、南国情緒満点だ。

1932(昭和7)年、建築家の置塩(おしお)章によって建てられた。
車寄せの屋根は「議院石」とも呼ばれる花こう岩で作られている。白色の敷石とともに、年季の入った庁舎とうまく調和している。
中に入ると大階段の美しさに圧倒される。大理石でできた手すりはあめ色に輝き、所々に化石も見える。

本館講堂(旧議事堂)は知事の記者会見や大きな会議に使用される。格天井(ごうてんじょう)やレリーフが施され、格調の高さをうかがわせる。木製の扉の取っ手やのぞき窓は、やや低い位置に取りつけられている。建築当時の日本人の平均的な身長に合わせたためらしい。
かつては周囲にめぼしい建物などがなく、「田んぼの中のお城」と呼ばれた。2017年に国登録有形文化財になった。
2025年12月14日 毎日新聞・日曜くらぶ 掲載