◇全国から約40人 大阪・咲洲で制作
建築や芸術、環境デザインなどを学ぶ全国の学生が世界遺産などの「聖地」に滞在し、小さな建築空間を作る「建築学生ワークショップ」(毎日新聞社など後援)が9月14日、大阪市の大阪・関西万博会場対岸の咲洲(さきしま)で開かれた。今回は「新たな聖地」として万博会場を予定していたが、混雑状況などから直前で会場変更となった。学生らは、万博会場で生まれたゴミを再利用したり、リユース素材などを用いたりして万博の歴史的文脈を踏まえながら制作にあたった。
ワークショップは、大阪を拠点とする建築家、平沼孝啓さんが代表を務めるNPO法人アートアンドアーキテクトフェスタ(AAF)が、2010年から主催。計画段階から一線で活躍する建築家のほか、各地域で伝統工法に携わる技術者が指導に当たるのが特徴で、実学を通じた後進の育成を目的にしている。地域滞在型で、これまで東大寺や厳島神社、出雲大社など、国内各地の「聖地」を舞台に開催してきた。次回は法隆寺(奈良県)を舞台に開催される。
全国から集まった約40人の学生は10班に分かれ、6月から万博会場でリサーチを始め、専門家らのアドバイスを受けながら構想を練った。9月8日からは現地で合宿し、制作を進めた。14日には会場で公開プレゼンテーションが開かれ、美術評論家の建畠晢さん、建築家の藤本壮介さん、和紙デザイナーの堀木エリ子さんら21人が審査を実施。ラタン素材を使った6班の「延」が最優秀賞に選ばれた。
優秀賞は紙オムツのパルプと紙を分離した紙管を用いた1班の「空を編む」、特別賞には間伐材の割竹を再利用した9班の「すわる、しなる、ゆらぐ。」が選出された。

2025年10月2日 毎日新聞・東京夕刊 掲載