【美とあそぶ】
鈴木杏さん/3
思いつくままに

文:葛西大博(聞き手、毎日新聞記者)

インタビュー

 最初から何かを描こうと決めてキャンバスや画用紙に向かうことは、ほとんどありません。線を1本、丸を1個描いて、そこから思いつくものをどんどん形にしていく。「ここから何が生まれるのかな」と、連想ゲームの感覚です。

 「この絵、イマイチなんだよな」と自分で思っていても、「すごくいい作品ですね」と言ってくださる方もいる。でも、その逆もある。人によって受け止め方はさまざまです。絵には正解・不正解がない。全部OKなんだなと思えて、それがすごく心地よいですね。

2022年の作品

 今は水彩やアクリル画が中心ですが、これはガラスペンを使った作品です。線を引いたら鳥に見えてきました。そのうち人を描きたくなって、さらに人に花でも持たせようかなと思いました。背景も特に意味はなくて、模様みたいな線をひたすら描き続けると、なぜかホッとするんです。私にとって絵は、写経や瞑想めいそうに近い感覚です。

PROFILE:

鈴木杏(すずき・あん)さん

1987年東京都生まれ。96年にデビュー。第28回読売演劇大賞で大賞・最優秀女優賞を受賞(「殺意 ストリップショウ」「真夏の夜の夢」の演技)。6月25日スタートのNHK土曜ドラマ「空白を満たしなさい」に出演予定。

2022年5月30日 毎日新聞・東京夕刊 掲載

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