自動演奏装置の修復を目指すアンティークピアノ。費用をクラウドファンディングで募る=竹久夢二伊香保記念館提供

 ◇1000万円目標にCF

 渋川市の竹久夢二伊香保記念館は、自動演奏装置付きのアンティークピアノの修復費用を募っている。大正ロマンを代表する画家、竹久夢二(1884~1934年)が生きた時代の製造とされ、時を経て自動演奏装置が動かなくなった。同館は「修復をして当時の音色をよみがえらせたい」と12月26日までのクラウドファンディング(CF)を開始した。【増田勝彦】

 ピアノは米国スタインウェイ社製のグランドピアノM170型。木暮享館長が「来館者に大正ロマンを五感で味わってほしい」と入手し、本館「黒船館」1階の「夢二ホール」に置かれている。

 ピアノには、自動演奏装置「デュオ・アート」が組み込まれ、穴が開いた専用のロール紙を用いて空気圧で鍵盤やペダルを動かし、曲を奏でる仕組み。ロール紙には音階だけでなく、音の強弱やペダル操作などの演奏表現まで記録され、録音技術が発達していなかった当時の名演奏家のタッチを再現できる。同館はルビンシュタインやホロビッツらの演奏を記録した数多くのロール紙を収蔵し、音楽史的にも貴重な資料とされている。

竹久夢二伊香保記念館に収蔵されている自動演奏用のピアノロール紙=同館提供

 自動演奏装置は複雑な空気圧制御装置で構成され、修復には専門技術と多額の費用が必要となるため、CFを企画。目標額は1000万円で、未達成の場合は返金し、修復も断念するという。

 木暮香峰子理事長は「当時の名ピアニストたちの演奏が再現できる『音のタイムカプセル』とも言える装置です。貴重な文化的・音楽的価値を未来に継承できるよう、ご支援をお願いします」と話している。

 CFは専用サイト(https:/readyfor.jp/projects/yumeji01)で1万円から。金額に応じて返礼が用意され、税額控除対象コースもある。振り込みでの寄付も可。問い合わせは同館(0279・72・4788)。

2025年11月24日 毎日新聞・群馬版 掲載

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