世界的な東洋の陶磁器コレクションを誇る大阪市立東洋陶磁美術館で特別展「MOCOコレクション オムニバス-初公開・久々の公開-PART1」が開かれている。同館は、世界有数の中国・韓国陶磁コレクション「安宅コレクション」の寄贈を記念し、1982年に開館。さらに韓国陶磁を中心とした「李秉昌コレクション」が加わり、この2大コレクションを核に、その後も幾多の寄贈を経て現在は国宝2件、重要文化財14件を含む5830件を収蔵。今回は展示の機会が少ない、2大コレクション以外の収蔵品に焦点を当て、2期に分けて紹介する。
PART1(~3月22日)では、五つの個人コレクションから計172件を紹介。中国陶磁の約5000年の歴史を通して見られる「白檮廬コレクション」や酒器を中心とした「入江正信コレクション」、今回がほぼ初公開となる「松惠コレクション」など、収集者の個性が伝わる展示が楽しめる。
展示室1では、中国・後漢~唐時代の墓の副葬品を集めた「海野信義コレクション」を紹介。池の中に建つ2階建ての見張り台をかたどった「緑釉水榭」(後漢時代)などは、当時の建築文化を今に伝える。白檮廬コレクション(展示室2)は、新石器時代から清の時代までの中国陶磁が並ぶ。灰釉陶や青磁、白磁、青花など、中国陶磁の技術開発の歴史を通史的に見られる。「緑褐釉貼花連珠文碗」(6世紀後半)は西アジアのガラス碗を模した形状で、シルクロードを通じた東西交流の影響を示す。
入江コレクション(展示室3・4)は、中国の新石器~清時代の多彩な酒器が並び、時代や生産地による違いを楽しめる。中国や韓国、日本などの茶道具を中心とした松惠コレクション(展示室6)からは、重要美術品の茶席の掛け軸「石山切(伊勢集)」(1112年ごろ)などがお目見え。桃山時代の「黒織部波文茶碗」は当時のアバンギャルド(前衛)だ。「鈴木正男コレクション」(展示室7)からは、朝鮮陶磁の研究者で、柳宗悦らと共に韓国陶磁の魅力を日本に紹介した浅川伯教さん(故人)旧蔵の韓国陶磁や関連資料を展示。朝鮮の窯跡の記録図など貴重な研究資料も見られる。浅川さんらが評価した李朝の白磁壺「満月壺」は、シンプルで力強い形状の美しさが際立つ。
PART2は4月11日から。

2026年2月9日 毎日新聞・東京夕刊 掲載