市中心部に近い住宅街にたたずむカトリック布池教会大聖堂(名古屋市東区)は、高さ約50㍍に及ぶ双塔の鐘楼が目を引く。荘厳な祈りの場は、東海北陸圏のキリスト教徒の中心的存在であるとともに、地域のランドマークとして長く親しまれている。

鉄骨鉄筋コンクリート打ち放しの構造で、1962年に完成。64年の東京五輪開催による建築資材の枯渇前に着工したため、海砂ではなく良質な川砂が使われた。これにより現在でも外壁などの劣化が少ないという。
近代的建築手法を用いながら、教会の伝統的なゴシック様式を継承し、2015年に国登録有形文化財に登録された。
東西両側に並ぶステンドグラスは、キリストが定めた霊的しるしである「七つの秘跡」を表現。それらは奥へと向かって、現世の茶色から神の青色のグラデーションを作る。そこから内陣中央のキリスト磔刑(たっけい)図へ目が向く配置になっている。信者が膝をついて祈りをささげる神聖な空間。おごそかで静寂な時間が流れる。

2026年2月15日 毎日新聞・日曜くらぶ 掲載