聖堂の木製の椅子や説教台、照明などもナカシマがデザインした=北村隆夫撮影

 カトリック桂教会(京都市西京区)は閑静な住宅街の中に建つ。1965(昭和40)年に完成し、日系米国人2世のジョージ・ナカシマが設計した。ナカシマは家具作家として知られ、桂教会は単独で手がけた国内唯一の建物だ。

 聖堂の屋根は上から見るとひし形で、奥に向かってせり上がっている。洗礼室は円筒形で、上部に十字架が掲げられている。

洗礼室の上に掲げられた十字架が朝日に照らされ、聖堂の屋根に影を落とす=北村隆夫撮影

 聖堂内は柱や梁(はり)がない。天井は祭壇の方向へ緩やかな曲線を描き、壁面はコンクリートの打ち放し。祭壇、ベンチ、照明、円窓にはめ込まれた障子などのインテリアもナカシマのデザインで、随所に日本的な要素が取り入れられ、木のぬくもりが感じられる。

内側に障子がはめ込まれた聖堂側面の円窓=北村隆夫撮影

 ナカシマは太平洋戦争前に米国でL・H・チベサー神父と出会う。開戦後、ナカシマは日系人だったために抑留されたが、チベサー神父に支援を受けた。戦後、チベサー神父が来日して桂教会の司祭を務めた際、ナカシマに新聖堂の設計を依頼。ナカシマはかつての恩義に報いるべく、無償で引き受けたという。

2026年1月11日 毎日新聞・日曜くらぶ 掲載

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