「絡子をかけたる自画像」1920(大正9)年、福岡県立美術館=提供写真

 「月」や「蝋燭ろうそく」の主題を独特の表現で描き、晩年を千葉で過ごした洋画家・高島野十郎(1890~1975年)。没後50年を記念した大回顧展が開催中だ。展示されている主な作品を紹介する。

 ◇強い意志と深い精神性

 画布の裏面に「大正9年6月」という年記があり、野十郎が29歳の時に描いた自画像である。絡子らくすとは禅僧が用いる小さな袈裟けさを指す。兄で詩人の高島宇朗は禅宗に帰依し、野十郎もその影響で青年時代から仏教に深く傾倒していたことが指摘されている。また、正面をまっすぐに見つめた自身の姿を捉えている点は、当時野十郎が憧れていた、ドイツ・ルネサンスを代表する画家であるアルブレヒト・デューラーの影響が色濃く現れている。まっすぐなまなざしと固く結ばれた口元からは、野十郎の意志の強さと深い精神性が感じられる。

INFORMATION

没後50年 髙島野十郎展

<会   期>9月28日(日)まで
<会   場>千葉県立美術館(千葉市中央区中央港1)
<問い合わせ>043・242・8311。展覧会公式サイト

2025年7月31日 毎日新聞・千葉版 掲載

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