作家や映画監督、美術家として幅広く活動し、今年4月に他界した大宮エリーさん。50歳を迎える予定だった21日、大宮さんの遺作を集めた回顧展「生きているということ」が東京都内の三つの会場で始まった。30日まで。
港区の小山登美夫ギャラリー六本木では、オーナーの小山登美夫さんが選んだ絵画やドローイング計約80点を紹介。小山さんは、大宮さんが画家としてデビューした2012年以降、その創作を見守り、17年には同ギャラリーでの初個展が実現した。今展出品作の一つ「珊瑚(さんご)礁と青い魚たちⅠ」(23年)は柔らかな筆致と明るい色調に彩られ、躍動する生命のぬくもりを伝える。
目黒区のDAIKANYAMA GARAGEでは、1階に大型の絵画など約30点を展示。大宮さんの部屋をイメージした2階には、生前に刊行された書籍に加え、写真や絵本の原画が並ぶ。23年にベネチア国際映画祭のクロスリアリティー(XR)部門にノミネートされた仮想現実(VR)映画「周波数」も上映される。
世田谷区のCAPSULEでは、京都・妙心寺山内桂春院で24年に行われた最後の個展で公開されたふすま絵と陶器に光を当てる。「心の中の桃源郷」が色鮮やかに描かれたふすま絵などは「誕生日に東京でも披露したい」と大宮さんが願っていたもの。今回、屛風(びょうぶ)に仕立て直して公開されている。
2025年11月26日 毎日新聞・東京夕刊 掲載