1階資料コーナーでは、建設当時から上層部の貯水槽を中心で支える柱を見ることができる=山崎一輝撮影

 古代ギリシャ時代の神殿のような重厚感あるたたずまいの名古屋市演劇練習館(同市中村区)は、住宅地の公園内にそびえ立つ。

 鉄筋コンクリート造りの配水塔として1937(昭和12)年に建設。しかし約7年で役割を終え、長く倉庫や図書館として活用されていた。その後、地元劇団の主宰者が西尾武喜・名古屋市長(当時)に稽古(けいこ)場不足を訴えたことで、95年に演劇練習館に生まれ変わった。

 塔頂部にある円筒形水槽は直径33㍍。計画途中、人口予測の大幅増に対応して貯水槽の容量が約7倍に変更された。そのため、直径約1・5㍍、高さ約20㍍の補強柱16本が外周に建てられ、特徴的な外観となった。現在は地下1階、地上5階に5室の大練習室やリハーサル室などを備える。

 用途を変えながら長年使われてきた地域のランドマークは、2025年に国の登録有形文化財になった。演劇(アクト)、水(アクア)、パルテノン神殿にちなんで名づけられた「アクテノン」。公募により決まったこの愛称は、近隣住民に親しまれている。

円窓が設置された4階から上へ通じる階段=山崎一輝撮影
噴水は配水塔だった面影を残す=山崎一輝撮影

2026年8月16日 毎日新聞・日曜くらぶ 掲載

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