帯状の色遣いがきれいな萩・明倫学舎(旧明倫小)の外観=金澤稔撮影

 旧萩藩校「明倫館」の跡地に建つ旧萩市立明倫小学校(山口県)は1935(昭和10)年に建てられた。敷地内には坂本龍馬も試合をしたとされる剣槍術(けんそうじゅつ)場「有備館」が残る。

 「日本趣味を多分に採り入れ、簡素を旨」とした同校は華美な装飾を排し、一般的な木材を使用した。それでもだいだい色の桟瓦と2階の白しっくい、1階の濃い茶色の下見板張りに、帯状の意匠が特徴的な玄関ポーチの柱が組み合わさる外観は美しい。堂々とした風格があり、圧倒された。中に入ると唯一輸入材を使用したという中央階段が目に入り、左右に延びる廊下は90㍍もある。

簡素な柱頭飾りが施された中央階段=金澤稔撮影
日本最大級の木造校舎には長さが90㍍の廊下が延びる=金澤稔撮影

 この日本最大級の木造校舎は階段室とダストシュートを外側に取り付け補強材とした。すべての壁や屋根の小屋組みには筋交いが用いられている。建築前年にあった室戸台風で大きな被害を受けた学校を教訓にしたという。

 2014年まで小学校として使われた登録有形文化財の校舎は「萩・明倫学舎」として保存・活用され、再現された教室や小屋組みを見ることができる。

2026年7月19日 毎日新聞・日曜くらぶ 掲載

シェアする