神奈川県平塚市の緑あふれる丘陵地に東海大学湘南校舎3号館はある。1966(昭和41)年に完成した。鉄筋コンクリート造りで地下1階、地上10階、塔屋4階建て。日本武道館や京都タワービルの設計で知られる建築家・山田守が手がけた。
建物は人の垂直移動を集約した円筒部と、教室や研究室のブロックが渡り廊下で結ばれる。円筒部は中心に円形エレベーターがあり、らせん階段が巻き付く。さらに外側にゆったりとした傾斜のらせん状のスロープが屋上までつながる。下から仰ぐと円盤が折り重なるように見える。当初、屋上に駐車場を設ける構想があり、車が通れる幅が確保された。2011年度に耐震改修に合わせ、スロープに柵が設けられた。

山田は曲線、曲面を生かした多岐にわたる作品を残している。現在も約2万人の学生が通う湘南校舎内にも1、2号館など多くの建物を設計したが、3号館の建設途中に帰らぬ人となった。何度も病を押して、校舎を訪れようとしたという。その思いは今もこの地に受け継がれている。

2026年6月21日 毎日新聞・日曜くらぶ 掲載