
旧札幌美以教会堂(現・日本基督教団札幌教会礼拝堂)は、札幌市中心部を南北に流れる創成川に面して建つ。ビルが乱立する中で、絵本から飛び出してきたような愛らしいたたずまいが、ひときわ存在感を放っている。
建立は1904(明治37)年。北海道庁土木課技師で教会信者だった間山千代勝氏が設計した。前身の教会が木造で03年に焼失したため、耐火性などに優れた札幌軟石を使って再建された。木骨組みの石造平屋建てで、札幌軟石が使用された代表的な建物の一つ。98年に国の登録有形文化財に指定された。
外観は水色の屋根と正面左側にある塔が目を引く。中に入ると、正面の聖壇はたて琴をモチーフにした柱で縁取られ、2階にはステンドグラスがはめ込まれた鮮やかなバラ窓など、細かな意匠が施されている。


日本基督教団札幌教会の小林克哉牧師(53)は「外壁に開拓使のシンボルマークである五稜星(ごりょうせい)が見えます。町に生きる人々に祝福や平和があるように思いが込められていると感じられてなりません」と話す。
2025年2月9日 毎日新聞・日曜くらぶ 掲載