キャバレー時代の華やかさがそのまま残る=梅田麻衣子撮影

 真ちゅうのドアノブを押して中に入ると、一面大理石の床が広がる。神戸・三宮の歓楽街、生田東門商店街(通称・東門街)にある「クラブ月世界(げっせかい)」(神戸市中央区)。キャバレーとして1969年にオープンし、かつてはジャズ演奏やダンスなど、連日華やかなショーが開かれていた。ステージやホールを囲む半円形の客席など、昭和の雰囲気が残る。

 2階建ての木造建物の時代を経て、80年に地下1階、地上5階建ての現在のビルに建て替えられた。キャバレーフロアの上部は吹き抜けになっていて、高さ約3㍍、幅約4・5㍍の巨大なシャンデリアが印象的だ。

特注で作られた巨大なシャンデリア=梅田麻衣子撮影

 95年の阪神大震災ではほとんど被害を受けなかった。そのため内観を含め大部分が建て替え当時の状態で維持されている。

 2002年に市内最後のキャバレーとしての営業を終えた。現在はアーティストがライブを行うホールとして生まれ変わり、ドラマや映画のロケ地としても活用されている。

歓楽街でもひときわ目立つ巨大な看板=梅田麻衣子撮影

2025年2月2日 毎日新聞・日曜くらぶ 掲載

シェアする