赤と白のコントラストが美しい外壁の北海道知事公館

 赤と白のコントラストが美しい北海道知事公館(札幌市中央区)は、自然豊かな庭園とともに市民らに親しまれている。

 公館は1936(昭和11)年に、当時の三井財閥が来客の応接などに使うため、札幌別邸の新館として建てられた。戦後、米軍に接収されたが、52年に札幌市、53年に道の所有になってから知事公館として会議や行事に利用されている。

木の皮をつかったかさや装飾が美しいシャンデリア

 外観はしっくい塗りによる壁の白色と、むき出しとなった柱やはりの骨組みの赤色が映えるデザインで、英国など北ヨーロッパのハーフティンバー様式の工法を取り入れた。道産のミズナラ材で建てられ、館内には建築当時の面影が残る。中でも2階応接室は、合掌の形のはり材が見える化粧小屋組みで、広い天井と大きな窓から差し込む陽光が印象的だった。庭園(冬季閉園)や、館内は無料で一般公開している。

天井の山形に組み合わせた合掌のはり材が印象的な2階応接室

 中島浩昭館長は「開拓使などいろいろな人が関わってきたからこそ残るこの建物の歴史を、美しい都会の中の庭園とともに感じてほしい」と話した。

2022年5月8日 毎日新聞・日曜くらぶ 掲載

シェアする