VISIT

鳥取を訪ねて

終わりに

民藝をめぐる旅も終わりを迎え、
菊池さんが最後に向かったのは鳥取砂丘。
海と空と砂に囲まれた壮大な自然の中で
今の気持ちを教えていただきました。

静かだけど熱い炎のような鳥取の人々

  • 私が出会った鳥取の人たちは、一見静かだけれど、実は内に秘めている信念がしっかりとあって、言葉の代わりに作っているものでその信念を表現していました。少し質問を投げかけると、大事にしていらっしゃる気持ちや言葉がたくさん溢れ出てくる。静かだけど熱い炎のような印象です。

過去と今を風にのせて未来へ

  • 民藝って身近に聞いたことがある言葉だけど、いざ何かと言われると答えられない。それはなぜかというと、おそらく陶芸とか木工とかモノのジャンルではくくりきれないから。街並みや風景といったものにまで目を向けて、それをただ保存するのではなく、今の知恵でアップデートしながら次に受け継いでいく。いい形で風にのせていっているというか。そういう境界線を越えた考え方そのものが民藝なんじゃないかと思います。

教えてもらったのは暮らしを慈しむ眼差し

  • 私は一生懸命、東京で民藝について勉強をしていました。でも、民藝って学問じゃないのではないかと、旅をしながら思ったんです。もっと身近で、気づいたらそばにいるような存在なんじゃないか。今回の旅を通していろんな方とお話をしたなかで、鳥取民藝美術館の木谷さんが「もっと自由でいいよ」とおっしゃってくださったのがすごく印象に残っていて。言葉にあまりとらわれず、いいなと思う素直な気持ちを大切にしながら広い視線で見つめれば、自ずと本当に大切にしたいものが見えてくるような気がしました。自分の暮らしを慈しむという気持ち、そして鳥取で出会った景色を東京に帰っても忘れずにいようと思います。

  • そもそも民藝って?
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  • 民藝の100年の楽しみ方