◇「想像の器」と伝統技術
聖母マリアの持つカーネーションに触れようとする幼いキリストを描いた聖母子像。若かりし頃のレオナルド・ダ・ビンチの作で、カーネーションは後のキリストに待ち受ける受難の象徴とされる。
聖母子の傍らには数種の花を差したガラスの花器が描かれている。15世紀半ばに名声を極めたベネチアの無色透明ガラスは、聖母マリアの純潔を表すとともに、画家たちにとっては技量をみせる格好の題材であった。
現在、レオナルドの描いた花器と同形のベネチアン・グラスは見つかっていない。レオナルドは実際のガラスを参考に、彼の想像を加えて描き込んだのかもしれない。
本展ではベネチアの現代ガラス作家の手で、「レオナルドの花器」の再現制作を行った。ぜひ展示会場で、画中の花器と伝統技術で再現したガラス花器を見比べて頂きたい。


INFORMATION
開館30周年特別企画展「描かれたヴェネチアン・グラス~箱根ガラスの森美術館コレクション」
<会 期>2027年1月11日(月・祝)まで。午前10時~午後5時半(入館は同5時まで)。会期中無休
<会 場>箱根ガラスの森美術館(箱根町仙石原、電話0460・86・3111)
<入館料>大人1800円、大高生1300円、小中生600円
主催 箱根ガラスの森美術館、毎日新聞社
※絵画は複製作品を展示します。展覧会の詳細は、こちらのサイトからご確認ください
2026年9月9日 毎日新聞・神奈川版 掲載