今村紫紅「南風」1915(大正4)年=提供写真

【展覧会】
今村紫紅展 作品紹介 「南風」
のどかさ満ちた風景画

文:内山淳子(横浜美術館主任学芸員)

日本美術

  ◇横浜美術館で6月28日まで

 「没後110年 日本画の革命児 今村紫紅」展(毎日新聞社など主催)が、横浜美術館で開かれている。主な展示作品を随時紹介する。

 今村紫紅は、明治末から大正の初めにかけて、南画(江戸時代後期に中国の文人画の影響を受けて発展した山水画)への関心を含め、歴史画から風景画へと主題を移していった。明治半ばに廃れた南画を再評価して、南画に通ずる簡素でのどかな情感に満ちた風景を描き、その作風は「新南画」とも呼ばれた。亡くなる前年、35歳で描いたこの絵もその典型的なものであろう。蜜柑の木が点在する畑の向こうの、陽光にきらめく穏やかな海。その先に島がぽっかりと浮かんでいる。水平線の群青は紫紅が好んだ色で、他の多くの作品でも効果的に使われている。

INFORMATION

 「没後110年 日本画の革命児 今村紫紅」展

<会   期>6月28日(日)まで。会期中、展示替えあり
<会   場>横浜美術館(横浜市西区みなとみらい3)
<問い合わせ>045・221・0300。美術館ホームページ

2026年5月6日 毎日新聞・神奈川版 掲載

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