「蝋燭」大正時代 福岡県立美術館蔵=提供写真

【展覧会】
「没後50年 髙島野十郎展」作品紹介
大切な人へ蝋燭一つ一つ

文:北廣麻貴(大阪中之島美術館学芸員)

日本美術

 蝋燭(ろうそく)は、月と並んで髙島野十郎を代表するモチーフであり、生涯にわたり描き続けた。ほとんどがサムホール(縦約23㌢×横約16㌢)という小さな画面の中心に一本の蝋燭を描くという形式である。これらの作品は、個展に出品することも売ることもなかった。では、野十郎にとってどのような位置付けだったのだろうか。

 野十郎はこれらの作品を自身にとって大切な人へ一点一点手渡したという。一見どれも同じ蝋燭を描いているように見えるものの、炎の輝きも、蝋燭の長さも異なり、ひとつとして同じものはない。この小さな画面には野十郎の感謝と信頼の気持ちが込められている。

INFORMATION

没後50年 髙島野十郎展

<会   期>6月21日(日)まで
<会   場>大阪中之島美術館(大阪市北区中之島4)
<問い合わせ>06・4301・7285(大阪市総合コールセンター)

2026年4月22日 毎日新聞・大阪版 掲載

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